@article{oai:kusw.repo.nii.ac.jp:00000656, author = {小野間, 正巳}, issue = {30}, journal = {社会系教科教育学研究}, month = {Dec}, note = {これまで,社会的問題について学習した結果を提案するという学習形態は多く用いられ,授業において活用されてきた.岩田(1)は,子どもの意志決定能力を育成していくためには,価値選択をめぐる論争が行われている事例をとりあげ,学習させることが有効であることを指摘した.その際に,社会的問題のうち社会的論争問題(2)が学習対象として高い価値をもつことも合わせて指摘した. さらに,小西(3)は,科学的な社会認識にもとづく合理的な価値判断・意思決定をなしうる子どもたちを育てることをねらいとして「提案する社会科」を提起した.その主たる目的は,価値判断・意思決定能力を備えた「社会的自己認識(社会の中にある自己が分かること)」の育成であるとした.そのためには,科学的な社会認識と社会的な自己の認識に基づく価値判断・意思決定の力を伸ばす授業が重要であることを指摘した.  米田(4)は,児童の事実認識をもとに様々な提案をすることを, 「政策提案」と名付け社会的判断力を育てる必要な要素と押さえ, 「提案すること」すなわち自らの考えを表明することによって「意志決定」がなされることを提案した.  社会的論争問題に対する社会的判断には価値観を基盤とする主体的判断による合理的意志決定と行動が求められる.吉村(5)は,民主主義社会を担う市民としての資質の育成は,問主観的な社会的過程における価値観の批判・調整に基づく合意形成過程を基盤とすると考えた.そして,合意形成能力を育成する授業を提案した.これに対し,桑原(6)は,アメリカの社会的論争問題を事例に,論争問題のねらいは,自分の信念を反省し,再構成していくところ(反省的信念)にあると考えた. この信念の再構成という目標のもとでこの学習が成立すると主張した.  また,水山(7)は,個々の学習者による多様で質の高い意思決定を実現していくためには,何に合意できて何に合意できないかを明らかにしていくことだと主張した. さらに,長田(8)は,現代社会における異なる価値観の社会的秩序形成という民主主義の課題に応えるためには,熟議民主議論を基調とした実践が必要であると考えた.そこで, NIF (National Issues Forums Institute) を取り上げ,この実践の有効性を主張した.  さて,知識基盤社会は,新しく知識を創出し続けることに大きな意味をもつ社会である.このような社会では,知識創出型教育へのパラダイムシフトによる21世紀型スキル(9)の育成を目標とする教育が求められている.その教育の目的は,社会科教育の目標でもある市民的資質(シティズンシップ)(10) を育成することである. この21世紀型スキルとしての「批判的思考力」「コミュニケーション力」「探究型問題解決力」「価値形成力」を習得することにより「意志決定能力(11)」を育むことができると考えた.  本稿では,このような四つのスキルを育む意志決定型社会科授業構成原理を提案する. この授業構成原理では,学習対象として恒常的な社会的問題を扱う. しかし,それは,児童にとって身近で具体的な課題を扱うこととする.}, pages = {117--126}, title = {意志決定能力を育てる協働提案型社会科授業構成原理と実践 -小学校第6学年「高齢者福祉と公共政策」の授業分析をとおして-}, year = {2018} }