@article{oai:kusw.repo.nii.ac.jp:00000523, author = {菊地, 淳 and 板橋, 直人 and 吉岡, 一実}, issue = {1}, journal = {ヒューマンケア研究学会誌, Journal of Japanese Society of Human Caring Research}, month = {Sep}, note = {我が国の精神障がい者への医療施策は,「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本的理念に基づき,入院の長期化の解消を押し進めた結果,入院患者数の減少がみられてきた.しかし,平成26年の厚生労働省「患者調査」によると,いまだ入院をしている精神障がい者は約31万人おり,そのうち6 割の患者が統合失調症患者である.また,統合失調症患者における平均在院日数は,546 日と平成14 年以降は大きな増減はみられておらず,入院の長期化に対しての支援が急務である.そのような背景から,厚生労働省は長期入院における統合失調症患者本人への具体的な今後の支援として,「退院に向けた意欲の喚起」の方針を示している.精神科看護師が長期入院統合失調患者に対して退院支援の意欲を持ち続けることが困難であるという報告もあるが,看護師側だけの要因でなく,統合失調症患者の入院が長期化してしまう患者,家族,地域の要因と複合的に考えなくてはならない.まず,患者側の要因として,幻覚・妄想といった陽性症状や自閉,意欲の低下などの陰性症状や認知機能の障害,高齢化,長期入院による施設症などが報告されている.患者家族の要因としては,入院前に患者から受けた暴力などから患者に対する陰性感情や,同居することへの不安などから受け入れに消極的な傾向がある.そして,環境要因としては,精神障がい者に対するスティグマが存在し,地域住民の理解が得られず,住居などの受け皿の拡充が進まず,退院後の患者をとりまく環境整備も十分とは言えない状況である.統合失調症患者の退院後のサポートが十分と言えないなか,看護職に起因する退院の阻害要因を調査した谷田部は,看護職が退院および地域生活支援を実際に経験できるような,研修や支援システムの普及が必要であると報告している.患者本人が退院意欲を持つためには,退院への動機付けが必要である.しかしながら,長期入院に至った統合失調症患者は,長期入院の弊害や認知機能障害などもあり,パターン化した生活を繰り返すなど新しいことを取り入れることが困難である.そのため,退院への動機づけが困難となり,退院意欲が高められないと言われている.そこで,今後の退院支援を検討するにあたり,今までに報告されてきた研究から,長期入院統合失調症患者が退院意欲を高めるための看護援助の実態を明らかにすることを目的とした.}, pages = {91--96}, title = {統合失調症による長期入院患者への退院支援 -退院意欲を引き出すための看護援助の実態-}, volume = {8}, year = {2016} }