@article{oai:kusw.repo.nii.ac.jp:00000265, author = {光田, 尚美}, issue = {9}, journal = {関西福祉大学研究紀要, The Journal of Kansai University of Social Welfare}, month = {Mar}, note = {40015181584, 本稿の目的は,18世紀末から19世紀初頭にかけてのスイスの道徳,宗教についての理解を手がかりに,ペスタロッチーの心情陶冶の特色や基本構造を時代の文脈のなかで解明することにより,そこに内包されている諸原理を今日の問題設定に準拠するかたちで発展的に考察していくための試論を展開することである. まず,時代の文脈を読み解く資料として,イヴェルドン学園において行われた代表者会議の委任による査察の報告書に注目し,その概要を述べるとともに,心情陶冶に関する記述に絞り報告書の内容を整理する.査察委員は,当時において有識者と見なされた人物から選出されており,その意味において,彼らの見解には時代の精神が反映されていると思われる. 次に,イヴェルドン学園の心情陶冶に対して査察報告書が下した評価の内容を整理し,提出された問題提起を道徳と宗教の観点から考察する.それによって,査察報告書の力点は,いわゆる体系的な宗教の教授による主観性の脱却に置かれ,委員の見解が「理性の宗教」の重視及び宗教の優位性の堅持において特徴づけられることを指摘する. 続けて,ペスタロッチーの構想する心情陶冶の特色を,査察報告書の評価を手がかりに考察する.使用言語の相違から浮かび上がる道徳観,またその根幹をなす道徳と宗教との有機的な連関構造を明らかにする. 以上の考察をふまえ,ペスタロッチーの思想と時代精神との関係を論じる.そして,彼が宗派や限定的な世界観にとらわれずに人間,子どもたちを見つめていたこと,このように柔軟で聞かれたまなざしが彼の独自の道徳・宗教理解をもたらしたことを指摘する.こうした指摘において彼の教育思想の今日的意義が示唆される.}, pages = {149--162}, title = {ペスタロッチーの「心情陶冶」に関する考察--「代表者会議査察報告」(1810年)の解釈を中心に}, year = {2006} }